メキシコ人がよく使う「Ahorita」の意味 / Ahorita Ahorita
まだ、スペイン語が全然話せなかった頃、一番に教えられたメキシコのならではのスペイン語があります。それは「Ahorita(アオリータ)」。
メキシコのスペイン語では、頻繁に縮小辞が使われます。
犬を意味するPerro(ペロ)はPerrito(ペリート)、お婆さんを意味するAbuela(アブエラ)はAbuelita(アブエリータ)、のようにどの名詞にもくっつけることができます。本来は、小さいことを表す為に使われる縮小辞ですが、犬をワンちゃん、お婆さんをおばあちゃん、と呼ぶような感じで、言葉の印象を柔らかくさせる役割があります。
Ahorita(アオリータ)は、「今」を意味するAhora(アオラ)の縮小辞なので、本来であれば、「今すぐ」みたいな意味になるはずなのですが、メキシコでは違います。
例えば、メキシコ人に頼み事をした時に、「Ahorita」という返事が返ってきた場合は、「後から(いつかやるよ)」といった、明日には忘れてるんじゃないか程度の感覚で使われます。
几帳面な日本人には理解しがたい、この「Ahorita」という考え方なのですが、実際に使ってみるととっても便利。
今度会うか分からない人に対して「また今度ね!」ととりあえず言っておく時の、関西人が情報提供する際に「まあ、知らんけど」と最後に付け足す時の、あの責任の軽さ、があるのです。
ただ、そんな私でも、仕事ではいつも「Ahoritaっていつなのよ!」とメキシコ人につっかかってしまいます。
良し悪しを見極めながら、現地文化を吸収したいものですね。
皆様も、仕事の場でAhoritaという返事が返ってきた時には、くれぐれもお気をつけくださいね!