メキシコシティで流れる廃品回収車 / Se compran.. colchones..

一度、お客様が「いつも道から聞こえてくる、あの音が嫌なんですよね」と仰っていたことがあります。

お聞きしてみると、廃品回収車のアナウンス音のことでした。

小さいトラックにマットレスを上に乗せた廃品回収なのですが、なかなか耳に残る（耳障りな？）アナウンスを流します。

「Se compran... colchones... tambores... refrigeradores... estufas... lavadoras... microondas... o algo de fierro viejo que vendan」

と、少し気怠そうな音声を大音量で流しながら、街を徘徊するメキシコシティの廃品回収車。

「古くなったマットレスや電化製品、その他“古い鉄製のもの”買います」と言っています。

実はこの音声、とある廃品回収業者の娘・マリアちゃん(María del Mar Terrón Martínez)という当時10歳の女の子の声だそうです。

いつも声を張り上げて廃品回収車を走らせていたマリアちゃんの父親は、ある日、自分の娘に廃品回収用の音声を録音させます。

2004年に録音されたこの声は、その後何度も複製され、今ではメキシコシティ市内のあちこちで利用されることになりました。

耳に残るアナウンスで一躍有名となったマリアちゃん。コピーライトはどうなってるんだろう、と思ってしまうのは私だけでしょうか。

何を調べても愛おしいな、と思えるメキシコです。